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内陸型地震 古い被害想定 22府県、10年以上更新なし 防災対策遅れ懸念
  • メディア・コラム
  • 2024.07.12

内陸型地震 古い被害想定 22府県、10年以上更新なし 防災対策遅れ懸念

内陸型地震 古い被害想定 22府県、10年以上更新なし 防災対策遅れ懸念

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内陸型地震 古い被害想定 22府県、10年以上更新なし 防災対策遅れ懸念

能登半島地震で起きた「内陸地震」の被害想定について全国22府県が、10年以上にわたり更新していないことが日本経済新聞の調査で分かった。石川県は同半島の地震について1997年度から見直しておらず、想定以上の被害が発生した。自治体の予算や専門的な知見は限られており、国や専門機関による支援が求められる。
地震は大きく分けて陸地の活断層がずれるなどしておこる内陸型地震と、重なり合う海溝のプレートが跳ね返って発生する海溝型地震がある。
石川県で起きたのは能登半島付近の約150キロにわたる活断層が原因とされる内陸型地震だった。
国が被害想定を策定するのは南海トラフ地震や首都直下地震など、広範囲かつ被害の甚大な災害に限られる。地域ごとの地震については都道府県が被害想定をまとめるケースが一般的だ。
石川県は97年度に能登半島でマグニチュード(M)7.0の地震が起きるとの想定をまとめ、地域防災計画を作成。死者7人、建物全壊120棟の「ごく局地的な災害」と見積もった。
1日で発生から5か月となった能登半島地震は、地震エネルギーが約8倍のM7.6。死者260人の大規模災害となった。計画が更新されていれば応急対応や復旧作業の迅速化、耐震化に向けた施策の充実などが図られた可能性がある。
高知県は、県内で南海トラフ地震以上の被害を及ぼす活断層が見つかっていないため、内陸型地震の被害想定を作成していないと回答した。
法令で見直す頻度は定まっていないが、内閣府担当者は「被害想定が長期間更新されていないリスクが明らかになり、課題だと考えている」と話す。
京都大の牧紀男教授(都市防災)も「5年ごとの国勢調査など、社会の変化を捉えられるタイミングで更新するのが理想的だ」と説明する。
被害想定をつくるには、政府の地震調査研究推進本部による全国各地の活断層リスクの評価が重要になる。その上で都道府県はボーリング調査などで地質を調査し、人ロや建物の耐震化率を踏まえて人的・物的被害を試算するのが一般的だ。
更新が進まない理由として、外部の業者に調査を依頼する費用や、地震学の専門的な知識の不足を挙げる自治体は多い。
被害想定は企業の事業継続計画(BCP)策定にも資するだけに早急な対応が求められる。
東北大の丸谷浩明教授(防災政策)は「被害想定の更新は単独の自治体でできるような規模感のものではない。本来は国のサポートが必要だ」と指摘。想定を見直した自治体についても、「社会インフラの変化や高齢化など既存の計画とずれが生じた場合は改善を図るべきだ」と強調した。

「日本経済新聞」より

竹中工務店、土地コンサル 工場や店舗 立地条件で分析
災害など建築費上振れ考慮

竹中工務店は2025年をめどに、立地に応じた建物の建築費を加味した土地のコンサルティングに乗り出す。交通の便やエリアの人口などに加えて災害リスクに応じた建築費の上振れリスクをまとめて比較できるようになる。資材高や人手不足で建築コストが上昇するなか、工場や店舗の新設や機能集約を後押しする。
竹中工務店は土地や建物に関する600種以上の情報を仮想空間上で扱うデータプラットフォーム「GISCOVERY(ジスカバリー)」を独自開発した。地域人口や災害リスク、用途地域など公開されているデータに加え、自社が建築工事を通じ収集した土地の情報や建築費の上振れリスクといった情報をそろえる。
地震による液状化や洪水時の浸水のリスクが高いエリアでは、建物の構造や電源設備の配置を工夫する必要があり建築コストがかさむ。将来人口が減少するエリアでは建物を運用する際に雇用の確保が難しくなるおそれもある。顧客企業が持つデータと組み合わせて分析し、事業計画に合う建物の立地や構造を検討しやすくする。
竹中工務店は開発したプラットフォームを企業向けに新築や改修の工事の営業に役立て、収益につなげる。工場や店舗の空き地を物流倉庫やデータセンターとして活用する提案にも使う。

「日本経済新聞」より

「後継者難倒産」建設業は106件 高齢化で承継準備できず

東京商工リサーチ(東京都千代田区)がこのほど公表した2023年度の後継者不在に起因する「後継者難倒産」(負債1000万円以上)は、前年度比10.6%増となる456件に上り、調査を開始した2013年度以降で最多となった。産業別で最も多かったのは「サービス業」の121件で、前年度から32.9%増加。次いで「建設業」の106件(同26.1%増)が多く、この2産業が突出している。「不動産業」は16件(同6.6%増)で2年ぶりに前年度を上回った。業種別では、「建築工事業」の18件が最も多く、次いで「木造建築工事業」が(15件)と、高齢化が進む建設業で、後継者不在により事業継続が困難に陥るケースが目立つ。

「新建ハウジング」より

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