安全な器づくり-構造力学のプロ集団による
地震大国と言われる日本では、各地で大きな地震に見舞われています。未だ記憶に新しい熊本地震(2016年)では、震度7の大きな揺れが2回も発生し、2000年の基準法大改正以降の耐震等級1以上とされる建物も多くの被害を受け、これまで比較的安全とされてきた建物が倒壊してしまったことは建築業界に大きな衝撃を与えました。
政府の地震調査委員会では、今後30年以内に震度6以上の直下型大地震が首都圏で発生するとも予想され、建物の耐震性向上が求められています。また、近年では気候変動による大型台風の増加や局所的な豪雪など今までにない自然災害が起きており、それらに耐えうる建物の安全性が求められています。
これを背景に、耐震性能について、有識者(大学の教授など)から、耐震等級3より上の等級4、5の設置が必要と提唱する動きが出ており、より高い耐震性確保が求められようとしています。その安全性を証明するために構造計算は必要不可欠となるでしょう。
弊社では、従来より「全ての木造建築に構造計画・計算が必要」との考えのもと、安全性を高めるのに有効な木造建築用の耐震アイテムを開発・普及も行い、また木造住宅に限らず中大規模木造建築にも携わることでより多くの知見を広げてきました。
新しい試みにチャレンジすることで視野を広げ、従来の構造設計にフィードバックすることで安全性確保の品質を向上、社会の求める「安全・安心な建物づくり」の実現のため、日々、木造建築の構造計画・計算業務を行っています。
建物の性能を数値で確認することで、不安を解消
地震・台風などの外力に対する詳細検討で安全を確保
過剰な設計を排除し、経済的な設計が可能
第3者がチェックすることで、高い信頼性を獲得
万が一のトラブル(クレーム)への対策
某ゼネコンの構造設計業務からこの木造住宅業界に入って、40年近くが経ちました。当初まず驚いたのは、木造住宅に一定の仕様規定はあるものの、やってあたりまえと思っていた構造計算がされていないこと。そして、つくり手、住まい手の双方が共に疑問を抱いていないことでした。
近年では、従来の建築基準法の想定を超える大地震が頻発し、悲惨な結果は周知のことですが、「建築基準法は最低基準を定めているものだから…しょうがない」などと他人事のようにかたる技術者、集団の物言いに腹が立ちつつ、自己もその一人として戒めてきました。
また、その大地震の教訓により、2000年に建築基準法が大きく改正され、木造住宅も仕様規定から性能規定へ移行するとともに、構造計算の手法も全面的に見直されました。しかし、基準法レベルの耐震性では、起こりうる大地震に対応できない可能性もあるにもかかわらず、2階建ての木造住宅は、未だ構造計算を必要とされていないのが現状です。
住宅は「命を守る器」でなければなりません。より安全にできる術があるならば、それを行わない理由はありません。
現在では、「耐震等級2、3への対応は当たり前の動き」として活発化していますが、多くはまだ対応ができていないのも事実です。
明日来るかもしれない大地震に対し、建築前にできる設計品質の担保が重要で、耐震性確保には構造計算による安全性の立証が必要です。
弊社では、木造軸組計算ソフトを独自開発するところから始まり、今では共同研究・開発に協力し住宅のみならず中大規模建築物などの多様な木造の構造設計を行ってきました。それら多くの実績で積み上げてきた、建物を永く守るノウハウを用いて良質な構造計画・計算を提案します。
構造計算対応のフローです。詳しくはメールまたは電話でお気軽にご相談・ご依頼ください。
富士通Japanの「STRDESIGN-J」により木質構造の複雑な「強度・耐力に伴う構造計算」を行い、安全はもとよりコストダウンや合理化等の協力をサポートします。
耐震シミュレーションには、様々なプログラムが用いられていますが、弊社でも木造住宅の倒壊シミュレーションソフトであるwallstat(開発者:中川貴文氏(京都大学生存圏研究所准教授))によるシミュレーション対応が可能です。