窓が「命を守る壁」に
特許:第2946299・3878933号
施行規則1条の3 大臣認定取得 ・ 住宅等防災技術評価取得
木造建築物の倒壊は、耐力壁がアンバランスに配置されることにより「ねじれ破壊」をしてしまうことが主な要因とされています。
つまり、南側は大開口、北側は壁といったよく見かける一般的な住宅は、アンバランスであるため、地震時にねじれ破壊する可能性が高いと言えます。そこで、水平力を負担する「J−耐震開口フレーム」を窓・ドアといった開口部分に組み込むことで、開口の昨日を残したまま耐力壁化することができるため、プラン変更をしなくてもバランスを確保することができるのです。
つまりJ−耐震開口フレームにより、大開口、大空間といったユーザーの希求するプラン(間取り)を満足させ、かつ耐震性の確保という両立を実現したのです。
さらには、これまで意匠設計者が木造では不可能だと考えていたダイナミックな建築デザインも可能としました。
耐震性能を高めながら自由なデザインを可能としたJ−耐震開口フレームは、全国のハウスメーカー、ビルダー、建築家から高い評価を受け、導入が進んでいます。
[受賞歴]
国土交通大臣賞
(独)建築研究所主催「木造住宅の耐震補強構法技術コンペ」
兵庫県知事賞
(財)兵庫県住宅建築総合センター「ひょうご住宅耐震改修工法コンペ」
大熊幹章賞
木質構造研究会主催 第10回木質材料・木質構造技術研究基金賞
窓や車庫、縁側や店舗の入口など、住宅には様々な開口部があります。ここが、木造住宅の弱点となり、阪神淡路大震災では開口部の脆さが住宅倒壊の一つの要因となりました。木造住宅によくある構造として、南側に大きくとられた窓やベランダ、そして北側には小さな窓があるだけ。これは非常に危険です。重要なのは壁のバランスです。南側と北側の耐震壁のバランスが崩れると、地震が起きた際に住宅にねじれが起こり、住宅の倒壊に繋がってしまいます。
ついこの間のことのように感じられる阪神淡路大震災では多くの建物が倒壊し、想像を絶する被害でした。
すぐさま現地入りし惨状を目の当たりにして、構造設計者としてのはかなさと責務など、強い衝撃を受けたことを鮮明に覚えています。
特に木造住宅における窓や縁側といった開口部の耐力不足による倒壊状況を直視し「もし開口部が耐力壁だったら、多くの人(命)が救えたのではないか・・・」との自答から、この「J−耐震開口フレーム」のアイデアは生まれました。
その後、木造住宅の耐震性向上や災害に強い街づくりに貢献すべく「J−耐震開口フレーム」の開発に着手、多様な評価を実施し、産・学・官からの受賞、行政対応等もあり、近年、認知度が高まっています。