アラミド繊維シートを用いた新耐震接合工法
耐震補強の重要ポイントは、地震時の柱脚・柱頭の引抜防止(接合補強)です。しかし、従来の金物では、木材を傷めたり、アンカーボルトの設置が困難など、施工上の問題がありました。
「JBRA-1システム」は、シートを貼るだけの全く新しい耐震接合で、木材を傷めず、簡単な現場施工で耐震補強を実現します。
特にホールダウン金物の設置が困難な既存建物の耐震補強が容易になり、シート接合で初めて短期許容引張耐力の評価を取得した新耐震接合工法です。
その出会いは、30年ほど前。某研究所時代の先輩による建築フェア中のプレゼンで、本シートの異質な強度と柔軟性が目に留まりました。木材との馴染みやすさを感じつつ、木構造の新たな耐震アイテムとして未知の広がりを確信したのです。
その後、性能立証に向けた基礎研究を重ね、一歩一歩の調整をしてきました。“アラミド”という名を知るプロ達はいるものの、木造分野への適用に向けた発想や考えなどは無く、逆に否定的意見を持つ人が多くいました。それでも数少ない協力者のアドバイスもあり、まずは、公的評価を得ようと「柱頭柱脚の接合システム」として、(一財)日本建築センターでの耐力評価に挑戦し、2004年「建設技術審査証明:BCJ-審査証明-45」の取得に至りました。
技術研究は、シートの形状(長さ、幅)による木材とのベストな組合せの探求、特に信頼性が高いエポキシ樹脂接着剤の開発に多くの時間を注ぎました。それは強度、硬化速度、適量(色)などの特性、さらに劣化しにくいパッケージの独自開発など、ゴールが近いようで遠い挑戦でした。
一般社団法人日本建築センターのアドバイスもあり、合理的な施工システムの確立に向けて、施工管理士(JBRA-1)の制度を立ち上げ、現在では約4,000名の登録にのぼり、品質管理を徹底してきました。
・(一財)日本建築センター BCJ-審査証明-45
「建築物等の施工技術及び保全技術・建築技術審査証明」取得
・(一財)日本建築防災協会「戸建て住宅の耐震改修方法・事例」入選
・東京都「安価で信頼できる耐震改修工法・装置」選定
・兵庫県「ひょうご住宅耐震改修工法コンペ」選定